ささきようすけ展で展示中のコラボ作品をご紹介します。

ささきようすけ展コラボ作品2024作家の想い北海道立函館美術館 展示

2024年7月13日(土)より、「ささきようすけ展~ひとつとして区切らない~」が始まりました。

  • 森の芸術家「菊地満穂」さん。
  • 美術家「佐々木一斗」さん。
  • アーティスト「長谷川雄一」さん。
  • 函館の一閑張り作家「村上みどり」さん。

今回の展示では、4名の作家さんとささきようすけのコラボ作品を出品していただいています。ご協力、ありがとうございます。

展示室の準備中に、「コラボ作品に対する想いがあれば、北海道立函館美術館にご来場のお客様にもお伝えしたいな」と、考えました。

そこで、各作家さんとささきようすけ、それぞれのコラボ作品への思いをお届けします。

→【参考記事】ささきようすけ展~ひとつとして区切らない~始まりました。

菊地満穂×ささきようすけのコラボ作品について

ささきようすけ展コラボ作品菊地満穂森の芸術家陶芸

制作時期:2020年頃

サイズ:

菊地満穂さんより、コラボ作品への思い。

菊地さんの「コラボ作品に込めた思い」

この作品を作ったのが2020年だと思うのでが、コロナで発表できずに、納戸で眠っていました。納戸でたまに目が合いますが、もう、陽の目を見ることは無いかもな~と思っていました。

今回、皆さんに見てもらえる機会を頂いてとても嬉しい。それがみんなさんに伝わればと思っています。

作品制作当時、ようすけさんにわたしの作品に書いて欲しいと、興味と期待とで、コラボして頂いたと思います。その投げた石のようなものが、波紋のように広がり、今。過去、未来も含んでここにある。

背後にあるお社のようなもの、わたしも少しお手伝いしました。その時、縄文のことを感じました。
縄文の時代も、繋がるのかと…。

今回、ささきようすけ展に参加した「感想」

ようすけさんやその他の作品と溶け込んでいて、見守っているようにも見えて、いいな~と。

わたしが陶を作っていますが、わたしの作品ではない、不思議な感覚。

「作品コンセプト」は、ズバリ!?

お寺での展示をイメージしていたので、仏像のような、造形に。

例えば、そこにあるだけで、特に目に入らなくても、浸透していくような、薄い光のようなものであればと思っています。

今回の展示がたくさんの繋がりでできているので、昔のお寺のイメージと重なります。

その他自由にコメントお願いします。

以前この作品を制作した頃から、わたし自身、少し変化しており、今、このタイミングで作品が展示できたこと、神様の計らいだなーと思ってます。

今年アートイベントを主催したのですが、音楽、ダンス等の他分野の方との繋がりです。ひとつとして区切らない。まさしく。

アートが誰でも気軽に、参加したり、みたり、ワイワイしたり、できるといいな~といつも心にあります。

今回、参加できたこと、心より感謝します。ありがとうございます。

ささきようすけより、コラボ作品への思い。

 2019年から2020年にかけて、森町の陶芸家菊地満穂さんといくつかコラボレーション作品を作らせて頂きました。2019年はこだてトリエンナーレで渡島当別駅に展示していた作品を菊地さんに見て頂き、それから一緒に作品を作ることになりました。菊地さんが形を作り、私が釉薬で絵付けをしています。

 本作品は、それらの中でも一番最後に作った物であり、最も大きな作品でもあります。当時、コラボレーション作品も含めて2人展を開催しようと計画してましたが、コロナウィルス感染症の影響もあり計画は中断を余儀なくされました。

 それから3年。北海道立函館美術館での今回の企画を頂いた時、ぜひあのコラボレーション作品を展示したいと思いました。計画当初とは場所も形も違いますが、このような形で2人展を実現できたことを大変うれしく思います。

 菊地さんは自然から受け取った物を形にしており、そういう意味で私が作品を生み出す過程と共通点があると思います。全ての作品が有機的で、森の中にもともとあったような、森が生み出した形のようです。

釉薬で描くのは私にとってほとんど初めての経験でしたが、菊地さんの生み出した形から受け取った物を、感覚的に描いてみました。それは、菊地さんが創り出した形との対話と言っても良いかもしれません。

土が語り掛けてくる言葉を純粋な耳で聞いて、感じ取って描いていく。

私にとっても刺激的な経験でした。それはその後の私の活動であるライブペインティングに通づる一つのステップになりました。このような機会を与えてくれた菊地さんに改めて感謝いたします。

 今回は高校生が描いた絵で作ったテントの前に展示しました。展示場所は計画の時点から自然と”ここ”という風に決まったと思います。

展示室内には祠のようなイメージのオブジェが2点ほどありますが、祠の中の神様が「なんかようすけ祀り」の賑やかさに誘われてひょっこりと顔を出したようなイメージの展示です。

もちろん、あくまで私の中での解釈ですので、観て頂いた皆さんで好きなようにこの作品のストーリーを思い描いて頂ければと思います。

 このような素晴らしい作品を作らせて頂いた菊地満穂さん、ありがとうございました。

佐々木一斗×ささきようすけのコラボ作品について

ささきようすけ展コラボ作品佐々木一斗美術家ジャケット

制作時期:2024年

サイズ:

素材:キャンバス、貝、布団

佐々木一斗さんより、コラボ作品への思い。

佐々木一斗さんの「コラボ作品に込めた思い」

今回初めて他作家とのコラボということで本当に形になるのだろうかと不安もあったが、問題なく完成してホッとした。

今回、ささきようすけ展に参加した「感想」

展示に自分の作品がマッチしたようで良かった。また機会があればお誘い頂けばと思います。

「作品コンセプト」は、ズバリ!?

服飾+アート

その他自由にコメントお願いします。

表地、ボタンはささきようすけ氏の作品だったが、裏地は自宅にあった自分の布団を剥がして使用したため、フィットするかと心配だったが、うまくいったのでそこが一番満足しています。今回はお誘い頂きありがとうございました。

ささきようすけより、コラボ作品への思い。

 2021年、函館コミュニティプラザGスクエアで開催された「函館アートコレクション」に選出されたのが佐々木一斗さんとの出会いでした。

洋服をアートにする方に会ったのが初めてだったので作品がとても印象に残りました。その時は一緒に作品を作ろうという考えはなく、面白いアーティストが身近にいることに純粋に喜びを感じていました。

2023年には、ロサンゼルスTAG Gallery開催のLOVE JOYFUL#2というグループ展に共に出展することになり、現地にも一緒に行くことになりました。

 今回、北海道立函館美術館で様々な方との縁をテーマとして展示をするにあたって、ここ最近でもっとも縁が深い(と、少なくとも私が思っている)アーティストである佐々木さんと何かの形でコラボレーションしたいと思い声をかけさせていただきました。

 本作品は、2022年函館国際民俗音楽芸術祭に出演しそこでライブペインティングとして描いた作品2枚を使用して制作しました。生地のどの部分をどこに使うかは、佐々木さんに一任しました。佐々木さんは様々な素材を服という形に置き換えることで、印象的な作品を制作されています。今回の提案を快く受けて下さったことに改めて感謝いたします。

 また、展示では佐々木さんのオリジナル作品によるオブジェも展示しました。彼のビビットな色彩が不思議とコラボ作品やその他の私の作品ともマッチしていて、より面白いコラボレーションが実現したと思います。

着物やドレスなど、服飾を使用した作品もあるため全体的な調和も成り立っています。佐々木さん自身の作品は自然というテーマと必ずしも合致していませんが、全体における程よいスパイスのような存在になっていると思います。

 今回の展示に素晴らしいインパクトを与えて頂き、また私の絵を素晴らしい作品にリメイクして頂きありがとうございました。

長谷川雄一×ささきようすけのコラボ作品について

ささきようすけ展コラボ作品長谷川雄一アーティスト貝をテグスで吊るす

制作時期:2024年

サイズ:

素材:北寄貝、アクリル絵具

長谷川雄一さんより、コラボ作品への思い。

ただいま準備中。。。

ささきようすけより、コラボ作品への思い。

2018年札幌の駅前ESTAでの作品展に出展するために、軽自動車に作品を積んで中山峠を通る際に休憩のために喜茂別の道の駅に寄りました。その時たまたま道の駅の小スペースで作品展をしていたのが、長谷川雄一さんでした。

キャンバスに描かれた数点の抽象画とオブジェが展示されていたと記憶しています。初め話しかけるのには勇気がいりましたが、お互いの制作や身の上について語り合ったのを記憶しています。

その後、私の札幌での展示も観ていただきました。そして、時は流れ2023年長谷川さんが故郷の北斗市に戻って来ると聞き久しぶりにお会いしました。 

北海道立函館美術館の展示で”縁”をテーマとして考えていた際に、長谷川さんに声をかけようと思ったのは、私にとって自然な流れでした。 

長谷川さんも自然から得たインスピレーションを作品にしており、しかしながらだからこそコラボレーションのアイデアは難しくもありました。

そんな中でお互いが上磯町の産まれということもあり、かつお互いが無理なく参加できる形の作品を考えた結果が今回の作品です。

素材に上磯の海岸で拾ったホッキ貝の貝殻のを使用し、それぞれでペイントしたものを一緒に吊るしました。 

同じ素材を通してそれぞれが個性を発揮し、無理なくそれらが調和している作品が実現できたと考えてます。また、空間を十分に生かした展示方法は、他の展示とのバランスも良く全体をより厚みのある空間に変えてくれたと思います。 

今回のコラボレーションはお互いにとって素晴らしい経験になったと思います。作品自体、今後に繋がる拡張性の高いコンセプトであるとも感じています。

お忙しい中、また会期が迫る中にも関わらず快くコラボレーションに応じてくれた長谷川雄一さん、改めてありがとうございました。

村上みどり×ささきようすけのコラボ作品について

ささきようすけ展コラボ作品村上みどり函館の一閑貼り作家絵画

制作時期:2017年

サイズ:54×54センチ

素材:パネル、和紙/アクリル絵具

→City upside down(写真・左)の作品詳細ページはこちら

→it comes rain(写真・右)の作品詳細ページはこちら

ささきようすけより、コラボ作品への思い。

2016~2017年ころ共通の知人より紹介を受け、村上さんの発案で一緒に作品を作ることになりました。村上さんは伝統工芸のひとつ一閑張りの手法を行かしながら、それを現代アートへと昇華させるような作品を制作されていました。 

本作品は、村上さんが貼って頂いた和紙の上に私が描くスタイルで制作しました。今回の2点のほかにも10数点の小品も制作しました。 

村上さんの使用する和紙は高価なものですし、画面にはすでに世界観が出来上がっているのでその上から絵を描くのは、勇気のいる行為でした。しかし、描いてみると和紙ならではの柔らかい発色や描き心地が面白くとても良い経験になりました。 

その後、私個人でも和紙を購入し自分で貼って作品を描きました。私自身の制作スタイルにも大きな影響を与えて頂けたと思います。一人だけでは決して到達できなかった世界へと導いて頂きました。 

今回の北海道立函館美術館での企画にはこの村上さんとのコラボレーション作品は必要不可欠と思い、展示させて頂きました。私が自分だけの考えじゃなく、コラボレーションを通して様々な方の考えを制作に取り入れるきっかけをくれた経験でした。 

今回の展示作品自体のきっかけとなったと言っても過言ではないと思います。このような素晴らしい機会を与えてくださった村上みどりさん、ありがとうございました。

ささきようすけ展~ひとつとして区切らない~は、北海道立函館美術館にて絶賛開催中です。コラボ作品とともに、ご来場お待ちしております。

→ささきようすけ展~ひとつとして区切らない~始まりました。はこちら

→北海道立函館美術館「ささきようすけ展~ひとつとして区切らない~」詳細はこちら

北海道立函館美術館「ささきようすけ展~ひとつとして区切らない~」は、2024年9月23日(月・祝)に閉幕しました。

たくさんの方々にご来場いただき、大変うれしく思います。ありがとうございました。

来月(2024年10月)は、ハートメイドマルシェでワークショップの講師を務めます。おめんづくりやおえかきバッグなど、楽しみですね。会場でお待ちしております。

→ハートメイドマルシェのワークショップ講師のお知らせはこちら